AC

友人からAC(アダルトチルドレン)ではないかと言われたのはTwitterでこんなフリートをあげたのがきっかけだった。

 

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別れてから何度も彼に八つ当たりをした。言ってはいけないことを何度もぶつけた。嫌われたら生きていけないと思いながらもわざと彼に嫌われようとしたり、自分でも感情がコントロール出来無くなった。毎日のように泣いてしまいには過呼吸で倒れた。なのにいくら迷惑をかけても愚痴を話しても、病気や家庭環境のせいにしても許してくれる彼を好きじゃなくなることが出来なかった。自分の本心がどこにあるのか分からずに怖かった。それもあって死のうと思った。だからこそACなのかもと言われた時には納得したい自分がいた。私は彼を恋人ではなく親の代わりに私を愛してくれる人だと思い込んでいたのだと気づいてしまったから。

 

 

 

父親との記憶で一番古いものはベッドの上。昔は父と寝室のベッドが隣同士だった。でもいつも寝るのは私の方が先で、でも起きるのは父の方が早い。だからその日の夜中に目が覚めた時に父親が横に寝ているのが単純に嬉しかった。近くで寝たいけどでれでれするのが恥ずかしくて、寝相が悪いふりをして父の横までごろごろ転がった。

けれども父は近寄ってきた私を私のベッドまで押し飛ばした。それが恐らく幼いなりにショックで、そこから上手く甘えられなくなったのだと思う。だからこそ抱きしめながら一緒に寝てくれた彼の体温を忘れたくないのだとも思う。

 

次に決定的だった瞬間は中一の時、1度模試の数学で57点を取った。

寝る前にぽつりとその話をしたら初めて説教をされた。内容は全然覚えていないけど『普段全然話をしてくれないのになぜ?』と思うと同時に『いい点数を取らないと見捨てられる』と思った。そこから高校に入るまでテストはほぼクラス1位だった。

 

高校2年生の時、高校から親元を離れて祖母と暮らしていたのだがたまに実家に帰省もしていた。その帰り道の車の中で「何部に入ってたんだっけ?」と父に聞かれた。いくら話をしていないとはいえもう高校に入って1年以上は経っているのに。兄の部活の試合の日程はくまなくチェックしているくせに、なんで私のやることはそんなに無関心なんだろう。こんなに頑張ってるのに。なんで嬉しそうな顔で褒めてくれないんだろう。発表を見に来てくれないんだろう。私のやりたいことを応援してくれないんだろう。そう言ってやりたい気持ちを必死で堪えた。

兄妹間の線引きをはっきりと感じてしまい、そこから私は父に期待するのを諦めた。

 

 

 

大学に入り完全に親元を離れてからはその事に苦しむこともあまり無くなった。比較されていると日常生活で感じることが無くなったしバイト先でも大学でも居場所が見つかったし、親以外に私のことを評価してくれる人がいると気づいたからだ。

 

でも彼にしがみついてしまうのは未だに私が『無条件に私を愛してくれる人』を求めているから。フリートにも書いた通り父親がしてくれなかったことをしてくれたのも、ずっと男の人が怖かったのに触れたいと思ったのも触れられたいと思ったのも彼が初めてだったから。

昔の親との確執を断ち切って依存じゃなくて心の底から純粋な気持ちで彼を好きになりたい。そう思ってから直ぐに彼と、いつも相談している友人(精神科で看護師をしている)と電話をして昔のことを色々と話した。

親にして貰えなかったことを彼がしてくれたこと。それもあって彼に依存してしまっていたこと。いつしか彼を親の代わりに自分を愛してくれる人だと思い込んで酷いことをしてしまったこと。それに気づいていなかったため別れてからずっと感情のコントロールができなかったこと。

 

彼はまた許してくれたし、友人は『フリートを見て自分でそれに気づけたのはすごいなって思ったよ!』と褒めてくれた。

彼も兄妹間の差別や父親との確執があると付き合っていた頃に話していたが、今は実家に住んでるし父親とは月一で飲みに行っているとも話していた。それがどうしても不思議で、思い切って「どうしたら親のことを許せますか?」と聞いてしまった。

 

 

 

しかし彼からの返事は私の想像の斜め上を行くもので、

 

「いや、全然許してない!笑

めっちゃ許せてないし表に出さんけど根に持ってる」

 

と軽く笑い飛ばされてしまった。でもその一言ですっと心が軽くなった。

 

 

 

「みんなりん子が思っとるほど大人じゃないよ、俺だって全然子供やし」

 

アダルトチルドレンも、HSPも、(私が)調べたらそれを気にしすぎるタイプなんやから、あまり調べすぎん方がええよ」

 

 

 

彼は私のことを知ったかぶって話してくる。けどそれがいつも的を得ているから、嬉しくもあり悔しくもある。ここまで色んなことを話せるのが彼しかいないからなのだけど、私のことを理解してくれるのは彼しかいないと思ってしまう。ずるい。

 

 

 

 

アダルトチルドレンを、過去を克服出来たら変わるのだろうか。親への気持ちも彼への執着も。

それが怖いと思いつつも、今は、夜に泣かずに寝られるようになりたい。